『家系図つくってみませんか?』(丸山学/ポプラ社)第4回【全6回】
あなたは、自分のひいおじいちゃんが何をした人か知っていますか? 家系図作成への関心が高まっている今、自分のルーツをたどろうという人が増えています。年間約100件の依頼を請け負う行政書士が、わずかな手がかりを元にルーツをたどる実例や、個人で作る際のポイントを紹介。戸籍取得から菩提寺探訪、古文書のよみときまで、わかりやすく解説した『家系図つくってみませんか?』をお届けします。
お寺のご住職がしてくれた貴重な話
私は多美の実家・島内家の調査と並行して、塚田家の調査も進めていました。
依頼人の塚田季明さんとしては、実は塚田拓郎が本当の祖父ではないとわかったものの、自身も「塚田」を名乗っている以上、やはり塚田家も重要なルーツであり自身の子どもにも塚田家がどんな家であるか伝えたいという想いがあります。
私のほうでは塚田拓郎のことが記載された史料をいくつか見つけることができ、どのような仕事をしていたのかも何となくわかってきました。しかし、それ以上のこと(その上の代のお名前や塚田家が元々はどこに居住していたか等)は全然わからずに困り果てていました。
そうした中、依頼人のご親族の中から「そういえば、多美はB県の延命寺というお寺と関係があるらしい。そちらのお寺の住職は安本さんという方が代々務めているようだ」というお話が出てきました。