SNSなどで発表する幻想的な作品で人気のイラストレーター・Spin氏の3冊目となる作品集『そんな悲しみなら連れていけ』(KADOKAWA)は、ただ美しいイラストを楽しむだけの画集ではない。
前作『杖よ、もしも明日が来るなら』は、大切な魔法を失った「僕」が過去の想い出を振り返る中で「君」の気持ちに気づいて魔法を取り戻す物語がテーマの作品集だったが、今作『そんな悲しみなら連れていけ』は、アドベンチャーゲームを模した構成で、読者はプレイヤーキャラクターである「僕」の行動を追うように読み進めていく。自分以外の誰かがプレイするゲームの進行を疑似体験するのは、まるでYouTubeでゲーム実況配信を見ているかのような気分だ。