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「俺、まだ子供だ」親の離婚に心が揺れ、彼女を傷つけ…中学1年の孝雄は、靴の手入れをしているときだけ無心でいられた/小説 言の葉の庭②

2022年9月15日

  • 映画最新作『すずめの戸締まり』の11月公開を控え、過去作品に改めて注目が集まる新海誠監督。2013年に発表し「映像文学」とも呼ばれる映画『言の葉の庭』を、監督自身が小説化した『小説 言の葉の庭』を全4回連載で第二話までご紹介します。今回は第2回です。雨の朝の公園で、高校生の孝雄と、謎めいた年上の女性・雪野が出会う。約束はなくても、“雨が降る朝”はいつもの場所で会うようになり、ふたりは静かに、ゆっくりと心を通わせていく…。小説版では、主人公のまわりの登場人物たちのストーリーも描き、重層的に物語が進んでいきます。活字から映像が浮かんでくるような「小説家・新海誠」の世界をお届けします。孝雄が中学1年だったある初夏の夜。晩酌で酔いが回り始めた母親から、両親の離婚を告げられる――。


    小説 言の葉の庭
    『小説 言の葉の庭』 (新海誠/KADOKAWA)

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     秋月孝雄は、中学に入った時点では藤沢孝雄だった。

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