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アイドルとファンを超えた関係の先にあるものは――現役アイドルが初小説で描き出す、岐路に立つ若者たちの焦燥と希望

2022年11月23日

  • アイドル失格
    『アイドル失格』(安部若菜/KADOKAWA)

     アイドルグループ・NMB48の安部若菜氏が上梓した『アイドル失格』(KADOKAWA)。現役アイドル自身の手で、アイドルとファンの恋愛を描いた作品として注目を集めている。著者の安部氏はかねてより学ぶ投資の知見や趣味の落語に関する発信をメディアで続けるなど、多岐にわたり活動中。そんな安部氏の初小説は、アイドルが置かれている環境を多分に盛り込みながら、ひとときの希望と将来への不安が交錯する若者たちの姿を描き出している。


     高校3年生の実々花がセンターを務めるアイドルグループ「テトラ」は人気も徐々に高まり、メディア露出も増えつつあった。大学生のケイタはテトラの曲に興味を持つうちにミニライブに初めて参加、ライブ後の対面イベントをきっかけに実々花に心を奪われていく。実々花を知り、初めてアイドルを「推す」経験をするケイタと、いつしかケイタのSNS投稿に救いを求め、彼に惹かれていく実々花。己の現状や将来への不安を抱えながら生きるふたりはやがて、アイドルとファンという関係を超えた交流へと踏み出していく――。

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