佐々木希が選んだ1冊は?「読みながら感情がぐちゃぐちゃになり、気づけばイヤミスにハマってました」
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※本記事は、雑誌『ダ・ヴィンチ』2025年2月号からの転載です。
毎月3人の旬な有名人ゲストがこだわりのある一冊を選んで紹介する、ダ・ヴィンチ本誌の巻頭人気連載『あの人と本の話』。今回登場してくれたのは、佐々木希さん。
(取材・文=倉田モトキ 写真=TOWA)
「私がミステリー小説を好きになったきっかけの一冊です」と手にしたのは湊かなえさんの『告白』。
「〈イヤミス〉(嫌な気分になるミステリー)にハマり、私の中にこうした陰鬱な世界を楽しむ一面があったんだと知ったのも意外な発見でした」
自分の生徒に我が子を殺された中学教師の森口。ホームルームで明かされる彼女の“告白”に、佐々木さんは読む手が止まらなかったと言う。
「森口先生の淡々とした言動が怖くて、被害者遺族であるはずなのに、次第に先生が悪者のようにも感じられていく。被害者や加害者という境界線を越えて、人間のエゴや身勝手さ、それに復讐心といった感情だけが浮き彫りになる展開に、私の心もぐちゃぐちゃになっていきました」