川西賢志郎『はじまりと おわりと はじまりと―まだ見ぬままになった弟子へ―』/前説での光景
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お笑いコンビ“和牛”のツッコミとして時代を駆け抜けた男・川西賢志郎。
2024年の“和牛”解散後に初めて語る、漫才のこと、これからのこと。「M-1グランプリ」で準優勝するまでの道のり、人気絶頂で多忙な中でも年間500ステージをこなす芸との向き合い方、そして次に目指す笑いとは――。
漫才師としての区切りを自らつけるためのエッセイ『はじまりと おわりと はじまりと ―まだ見ぬままになった弟子へ―』から一部抜粋してお届けします。
※本記事は書籍『はじまりと おわりと はじまりと ―まだ見ぬままになった弟子へ―』(川西賢志郎/KADOKAWA、2025年2月15日発売)から一部抜粋・編集しました
③前説での光景
※書籍の収録順とは一部異なります
どのようにして漫才師として歩んできたかを少し話していきたい。この世界に入った動機は、お笑いが好きで、漠然とテレビの人気者になりたいというものだった。そして、いつの日かそうなれるようにと漫才に励んだ。そこから徐々に、漫才がテレビに出演するための手段ではなく、目的に変わり、活動の中心を舞台に決めた。それでも、心掛けていたことがある。それは、一定数のテレビ出演やメディアの仕事もやり続けること。その理由は、漫才師として必要なものがそこには在ったからだ。