モグライダー芝大輔 エッセイ連載「煙太郎」/第1回「M-1のこと」
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今やテレビで見ない日はないといっても過言ではない、バラエティで大活躍中のモグライダー・芝大輔。そんな彼が初のエッセイ連載をスタート!漫才で見せる類稀なる話術をいかんなく発揮するエッセイです。
島田紳助と松本人志が並んで座っていた。怖い顔で若手の漫才に点数をつけ、一番を決めるのだという。2001年のクリスマス。ど田舎の高校3年生だった僕にもこれが異常事態な事はわかった。漫才は、それまで正月の演芸番組で観るか深夜の若手のネタ番組くらいで、ゴールデンタイムの生放送全国ネットで無名の若手漫才師がネタを披露するなんて事がまずありえなかった。何より、観る方も緊張するネタ番組が誕生した瞬間だった。賞金1000万。お笑い番組には似つかわしくない暗いセット。殺伐とした雰囲気と初回にして生放送ならではの手探り感。全国の一般審査員の点数も加算されるシステムで生じる違和感。進行がDJ赤坂という謎。余談だが、初回の最後はDJ赤坂の「メリークリスマス!」で番組を締めたと記憶している。