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ドラマ放送中『レッドブルー』、波切敦が描く総合格闘技“MMA”の世界。主人公が天才になってはいけない理由は?【インタビュー】

  • 木村慧人(FANTASTICS)を主演に迎え、絶賛放送中のドラマ『レッドブルー』。原作は波切敦氏による同名タイトルの漫画で、日陰者の道を歩んできた主人公・青葉が、格闘技界の天才・拳心を寝技で絞め落とすべく、総合格闘技“MMA”の世界を最速で駆け上がっていく……異色の下剋上スポーツ漫画として人気を博している。今回は作者・波切敦先生にインタビューを敢行。知られざる作家遍歴から、本作の誕生秘話までたっぷりと語ってもらった。


    『レッドブルー(1)』 (波切敦/小学館)


    始まりは、クラスの日陰者が天才を倒す物語


    ――まずは、波切先生のこれまでの歩みについてお伺いします。前作『switch』ではバスケットボールを、それより前の読切りではバドミントンやボクシングと、これまでずっとスポーツものを描かれていますよね。


    波切敦さん(以下、波切):デビュー前は『黒子のバスケ』や『ハイキュー!!』のアシスタントをしていて、その当時は『HUNTER×HUNTER』のような少年漫画の能力バトルものを描きたいと夢見ていましたがなかなかうまくいかず……。このままではダメだと思って、精力的に持ち込みをするようになったときに小学館の編集者の方から「動きがうまいね」とアクションの描写を褒められたんです。それがきっかけで、アクションが活かせるスポーツものを描くようになりました。『switch』でバスケットを題材にしたのは、やはり連載となると王道スポーツの方が受け入れられやすいかなと思ったのと、僕自身『SLAM DUNK』が好きだったから。あと担当編集の宮川さんがバスケガチ勢だったからというのもあります(笑)。

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