出版社の産業編集センターが千石で書店の運営をスタート! 「また行きたくなる本屋さん」を目指して――【店長インタビュー】
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旅と暮らしの出版社「株式会社産業編集センター」が昨年11月、本社1階に、旅と暮らしの本屋「アンダンテ」をオープンした。ガラス張りの外壁からは、明るい店内の様子がうかがえ、温もりのある木製の本棚には、「旅/衣/食/住/遊(趣味、文学、絵本など)/推(新刊・話題書)」とジャンル分けされた本たちが並んでいる。選書は同社出版部の編集者が担当しており、書店員も務めているという。出版社でありがら、なぜ書店を運営するに至ったのか。本の作り手として、書店の現場に立つ意義とは。店長の前田康匡さんに話を伺った。
目指したのは「また行きたくなる本屋さん」
――はじめに、書店を始めることになった経緯を教えてください。
前田さん:「書店が減ってきている」という話題を耳にしたことがある方も多いと思いますが、私たちも出版社として危機感を感じていました。実際に(出版社から本を仕入れる)取次会社からの仕入れ量が減ってきているという現状があって、このままだと自分たちの作った本が店頭に並ぶ機会がどんどんなくなってしまう。そこで「自分たちにできることはないか」と考えた結果が、「書店を持つ」ということでした。弊社には自社ビルがあり、立地も良い場所なので、ここで書店をオープンしたら面白いのではないかと考えたんです。