京都の老舗喫茶店、大阪のレトロモダンな図書館…着物好き乙女が巡る関西旅『恋せよキモノ乙女』【書評】

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何か新しい趣味や日々のときめきを求めている人に『恋せよキモノ乙女』(山崎零:著、コバヤシクミ:監修/新潮社)をオススメしたい。着物女子のまっすぐな恋と、真似したくなるようなおしゃれな着こなしをギュッと詰め込んだ作品だ。着物好きな作者ならではの細部までこだわった忠実な描写に、思わず着物を着てみたくなるはず。
野々村ももは受付嬢をしながら大阪で家族と暮らしている女の子。彼女の楽しみは、亡くなった祖母から受け継いだ着物を着ておでかけすることだ。関西のあちこちに出かける中で、ある日京都の喫茶店で素敵な男性・椎名さんに出会い恋をする。恋愛経験のないピュアな彼女の恋路はゆっくりと進んでいく。初めて一緒に食事をするまでにも時間がかかる、じれったい二人の関係には思わずキュンとしてしまう。
京都、大阪、琵琶湖や奈良公園など、実在する日本の街や名所を舞台に物語がすすむ。登場する神社や喫茶店はどれも風情があり、旅心をくすぐられる。