厳かで美しい 冬の絵本(2025年2月 新刊&おすすめ絵本)

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肌を突き刺す冷たい空気。抗っても向かってくる北風。重い雲が垂れ込める鈍色の空。止めどなく降る雪に覆われていく白銀の景色。
目の前に立ちはだかる寒さに対して、私たち人間も生きものたちもただひたすら耐え忍ぶことしかできません。それでも冬が生み出す風景はどこか凛とした美しさを纏っていて、時に息をのむような世界を見せてくれます。
厳かさと美しさ、相反しながらも調和した冬の姿が印象的な絵本をご紹介します。
しんしんと雪が降り積もる外、今日は園もお休み。雪が降る一日を真っ直ぐな子どもの目線で優しく静かに描いた酒井駒子さんの『新装版 ゆきがやんだら』。曇天の空、雪の野原、山や海を吹き抜ける北風ーー『冬 ふゆ』は、五味太郎さんが冬の生命のきらめきを力強く紡いだ一冊です。
モノクロームの世界が幻想的な『宮沢賢治の絵本 雪わたり』。氷上の線が紡ぐ軽やかなストーリー、スージー・リーさんが描く『せん』。2つの物語が交錯する不思議なおはなし、安野光雅さんの『かげぼうし 新装版』など、どれをとってもそれぞれにちがう冬の表情が魅力的なラインナップ。窓の外の冬景色を眺めながら、作品の余韻まで堪能してください。