樹木希林が、年上男性たちにひるまず挑んだ「伝説の対談」。渥美清、萩本欽一、いかりや長介…豪華ゲスト12人と繰り広げた「男と女についての深い話」【書評】

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樹木希林さんが亡くなった2018年から早6年。希林さんが残した数々の「言葉」が、今も多くの人の心を捉え続けている。飾らず気取らずありのまま、ときには自分すら突き放しつつ、物事の核心をズバリとついた言葉たち――人生の深みを感じさせる潔い言葉に魅了され、新たにファンになったという方もいることだろう。このほど登場した対談集『人生、上出来(中公新書ラクレ)』(中央公論新社)を読むと、そうした希林さんの言葉が「なるほど、こういう生き様から発せられるのか」とちょっと納得するかもしれない。
といっても、本書の希林さんは若い。本書は元々、1976(昭和51)年に雑誌『婦人公論』で1年間(出産をはさみつつ)連載した「伝説の対談」をまとめたもので(希林さんが亡くなった翌年の2019年に『心底惚れた』として単行本化されたが、このほど増補版として新書化された)、連載当時は33歳! 内田裕也さんと結婚して3年目、テレビドラマ『時間ですよ』『寺内貫太郎一家』でブレイク中の頃で、まだ芸名も「悠木千帆」だった。