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自称イクメン夫が妻をイラつかせた発言とは? 「育児のいいとこ取り」をする夫に対し、妻が思うこと。家事や育児、夫婦関係の不満を分かりやすく解説【書評】

  • 子育てには、喜びだけでなく多くの悩みや葛藤も伴う。特に家事や育児の負担、夫婦間のすれ違いは、多くの家庭で直面しうる課題である。『白目の館』(白目みさえ)は、そんな日々の苦悩に真正面から向き合い、等身大の姿をリアルに描き出した作品だ。


    本作の中心となるのは、家事や育児に追われる日々の中で、少しずつ積み重なっていく夫婦間のすれ違い。思わず「白目」をむいてしまいたくなるような悩みに直面する瞬間は、誰にでも訪れるかもしれない。そんなとき、心の拠り所となる場所が、伝説の相談所“白目の館”である。


    館の主であり、心理カウンセラーとして活動する白目みさえ氏は、家庭では年子の母として奮闘する日々を送っている。決して特別な存在ではなく、だからこそ共感できる悩みに真摯に向き合い、自らの経験をもとに親身なアドバイスを届けている。


    本作の大きな魅力は、日常に起こりうる悩みを丁寧に描いている点だ。たとえば、イクメンを自称する夫が「世の中の母親がやってることくらい俺でもできる」と言ったことに対し、やってくれるのはありがたいけど、少し違和感を覚える妻。そんな場面で、白目さんは妻の心の中をわかりやすく分析。悩みとさえいうほどではない、普段なら見過ごしてしまう些細なモヤモヤを晴らしてくれるのだ。

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