山田詠美「女流作家として戦ってきた人たちのことを、忘れてほしくない」。3人の女性作家の人生を描いた、Audibleオーディオファースト小説『三頭の蝶の道』【インタビュー】

-
直木賞をはじめ、数々の文学賞を受賞してきた山田詠美さんが、Amazon オーディブルの「オーディオファースト作品」のために書き下ろした『三頭の蝶の道』を発表。Audibleでオーディオブックとして先行配信され、その後に書籍として出版される「オーディオファースト作品」に、デビュー40周年という節目の年に初めて参加した本作は、激動の昭和を生き抜いた女性作家たちの人生を描く長編小説だ。朗読は俳優・高畑淳子さんが担当した。本作はどのようにして生まれたのか? 本作に込めた想いや、山田さんが考える「小説」について話を聞いた。
●きっかけは「ベランダの蝶」
――作家と、作家にかかわるすべての人たちが背負う業のようなものが、それぞれのかたちで描かれている非常に凄みのある小説でした。1行目から、句読点の位置もそのままに、文章が頭のなかで鳴り響くような美しさもありますが、Audibleのための書きおろしということは意識されていたのでしょうか。