あなたは、自分のひいおじいちゃんが何をした人か知っていますか? 家系図作成への関心が高まっている今、自分のルーツをたどろうという人が増えています。年間約100件の依頼を請け負う行政書士が、わずかな手がかりを元にルーツをたどる実例や、個人で作る際のポイントを紹介。戸籍取得から菩提寺探訪、古文書のよみときまで、わかりやすく解説した『家系図つくってみませんか?』をお届けします。
実の父親は誰なのか
さて、話を多美に戻しましょう。
長男・一郎の戸籍から分籍し、自らが筆頭者となる戸籍を作成した多美の戸籍を見てみましょう(図表9)。
戸籍を見ると、多美は分籍したあと昭和48年に亡くなるまでの間は誰とも婚姻していないことが確認できます。しかし、昭和5年には依頼人である季明さんの父・五郎が出生しています。前夫・塚田拓郎ではない誰か別の男性との間の子ということになります。