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妖精の物理学 ―PHysics PHenomenon PHantom― 電磁幽体:著、necomi:イラスト/電撃文庫/KADOKAWA


生成AI、家庭用ロボット、空飛ぶクルマ、メタバース、3Dプリンター住宅――。たった1台の端末で、家事や仕事、あらゆることが完結する時代が訪れた。気がつけば、子どもの頃に夢見た未来が現実となっている。さらに10年後、20年後、社会はどのように変わるのか。皆さんは、想像できるだろうか。


第31回電撃小説大賞受賞作『妖精の物理学 ―PHysics PHenomenon PHantom―』(電磁幽体:著、necomi:イラスト/電撃文庫/KADOKAWA)は、物理現象を操る科学の妖精たちが現れた未来の日本を舞台に、世界を揺るがす危機に立ち向かう近未来SFアクション。本作でデビューを果たした著者・電磁幽体氏は、若い頃より作家を志し、苦難の末に受賞に至った。しかし、ご本人は自らの作品が書店に並ぶ光景を目にすることなく、昨年の12月に逝去された。これから輝かしい作家人生を歩むはずだったことを思うと、あまりにも無念でならない。遺稿を継いだ編集部によって出版が進められ、このたび5月10日にようやく書店に並ぶこととなった。本稿で紹介するのは、薄命の新人作家が遺した最初で最後の物語である。


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