ダ・ヴィンチWeb


生きていると、どうにもならない出来事に直面することはままあるものだ。愛する人を亡くしたとき。病気や事故、災害など、自分の力ではどうしようもない現実。夢をあきらめざるを得なかった瞬間。誰しもが「もし、あのときこうしていれば」と悔やむ経験を持っているだろう。


『死んだ彼氏の脳味噌の話』(Ququ/KADOKAWA)は、人が「こうであったら」と願う気持ちにまつわる悲しみや切なさ、そして希望をやさしいタッチで描き出す、ちょっぴり不思議な雰囲気のオムニバスストーリー。各物語の主人公がそれぞれ抱える、理屈では割り切れない切実な思いが共感を呼び、SNSで大反響を呼んだ。


表題作である「死んだ彼氏の脳味噌の話」では、技術の発展により亡くなった人の意識を再現することが可能になった世界が描かれる。


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