ダ・ヴィンチWeb


この記事はセンシティブな内容を含みます。ご了承の上、お読みください。


「家庭の中で起きていることは、外からは見えにくい」。『うちは「問題」のある家族でした』(菊池真理子/KADOKAWA)は、そんな“密室”のなかで苦しんできた10人の体験を描いたノンフィクションコミックだ。


ギャンブル依存症、DV、マルチ商法、児童虐待、貧困、陰謀論、反医療——。社会の片隅で確かに存在しているにもかかわらず、「家の中のことだから」と見過ごされ、当事者でさえ声をあげられないことが多い問題の数々。


たとえば、反医療思想を持つ家庭で育った摩耶は、親が怪しげな団体に傾倒していることに違和感を覚えつつも、家庭内ではその思いを押し殺して生きてきた。学校でも人間関係がうまくいかず、次第に“浮いた存在”となってしまい、やがて心のバランスを崩し、リストカットや薬の過剰摂取に頼るようになってしまう。


  • 続きを読む