ダ・ヴィンチWeb


変わりゆく東京のなかで、今も独自の空気を色濃く残す場所——それが新宿・ゴールデン街だ。


本作『ゴールデン街の悪夢 ~とあるBARに訪れる奇妙な客たち』(鏑木ころも:漫画/竹書房)は、原作者兼作品の主人公であるインディ氏の働くバー「Kangaroo Court Decision」に訪れる人々が語る、奇妙なエピソードをオムニバス形式で描いたホラーコミックスだ。


バーで働きつつ、イベントなどで怪談話をする怪談師ユニット「ゴールデン街ホラーズ」として活動するインディ氏。彼の許に集まる奇妙なエピソードは、お店に集うお客たちの話を基にしたものも多数ある。町の歴史的背景も相まって、さまざまな事情を抱える人たちを分け隔てなく受け入れてきた懐の深さも、ゴールデン街ならではの魅力だ。本作は恐ろしいホラーエピソードと同時に、そんなゴールデン街の町の魅力も感じられる作品だ。


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