学校が終わった解放感を共有しながら、仲のいい友達とたわいない話をしつつ下校する。当たり前のようで、かけがえのない時間だ。もしもその友達に恋人ができたら、友達より恋人を優先するようになったら、当たり前だった下校の時間は突然終わってしまうのだから……。シロリ氏の『帰り道はずっと君と』(白泉社) は、両片思いの高校生男子が、 2人で一緒に帰る日々を続けたい気持ちから、お互いに一歩踏み出していくピュアラブストーリーだ。
天然気味な高校生・水町つばさ (みずまち)は、入学式の日にクラスメイトの桃井勇士(ももい・ゆうじ)に話しかけられて以来、彼に憧れと好意を抱いている。しかし「親友」として勇士と過ごす帰り道を大切にしているつばさは、その想いを彼に伝えられないでいた。勇士は、つばさと同じく帰宅部だが元サッカー部のエースで、勉強面でも頼りになる存在だ。