ダ・ヴィンチWeb


自分の人生の最期をどう迎えたいか、考えたことはあるだろうか? さまざまな病気で治療による回復がこれ以上見込めず終末期を迎える人々。その中でも「住み慣れた自宅で最期を迎えたい」と考える患者に寄り添う医療スタッフの姿を描いたコミックエッセイが、『終のナース~終末期訪問看護師の看取りの現場より~』(にわみちよ/竹書房)である。


とある調査では、約80%もの人が「自宅で死にたい」と希望している。慌ただしく無機質な病室より、住み慣れた馴染みの家で死にたい。残される家族と少しでも長く一緒に過ごしたい。実際に自宅での終末期の過ごし方を選ぶ人たちもさまざまな事情がある。だが実際に自宅で最期を迎える人の割合は、現状たった15%ほど。自宅では病院のような充実した治療・診療設備もなく、また患者を取り巻く家族には介護・看護や暮らしの負担もかかる。そんな背景が、患者の希望する数字をなかなか実現できない理由のひとつでもある。


  • 続きを読む