日本人の三大死因のひとつともいわれる「がん」。その罹患者は我々が思っているよりずっと多く、今や二人に一人が罹る病でもある。家族の誰かが、いつかがんに罹る可能性がある――それほど身近な病気なのだ。
中には15歳以下というまだ幼い時分から、がんという重い病気と戦う運命を背負う子たちもいる。『中学生でがんになりました 〜腹痛から始まった小児がんの記録』(つきママ/KADOKAWA)は、そんな小児がんのサバイバー(寛解者)となった、一人の少女の体験談を描く物語だ。
主人公・莉子は母子家庭ではあるもののどこにでもいるような普通の中学生の女の子。しかしある日、彼女は慢性的に抱えていた腹痛が悪化。かかりつけの病院に行くと診察ののち、そのまま隣町の大病院を紹介されることとなる。