『嫌われ魔女令嬢と男装皇子の婚約』(散葉ちんみ/一迅社)は、闇魔法の力を持つがゆえに疎まれてきた“嫌われ令嬢”が、まさかの“男装の皇太子”に溺愛されるという、異色のファンタジー百合系ラブコメディだ。
ヴラッドリー家の末娘・イヴリスは、闇魔法の才能を持って生まれたことで「魔女」と呼ばれ、家族や町の人々から蔑まれ続けてきた。唯一の支えだった幼なじみにも裏切られ、婚約者からは一方的に婚約破棄を告げられる。味方も希望もすべてを失った彼女の前に現れたのは、隣国の皇太子・シエル。しかしこの皇太子、実は男装した女性だった。
初対面でイヴリスの闇魔法を「すっごーい!」と目を輝かせて称賛し、思わず抱きついてくる無邪気なシエル。男装姿で見せる凛々しさと、素顔のときのおっちょこちょいな一面とのギャップが魅力的で、読者の心を一気につかむキャラクターだ。