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「大人のADHD」近年、耳にする機会が増えた言葉だ。


『家族から放置されて発達障害に気づかないまま大人になりました』(モンズースー:漫画、ネコゼ:原作/KADOKAWA)は、大人になってから発達障害と診断された著者の自分史を綴ったコミックエッセイである。


主人公のネコゼは、強迫性障害の治療中だ。彼女は整理整頓や時間の管理が苦手。気が散りやすくて集中して物事に取り組めない。他にもさまざまな点で生活に困難な面を抱えている。


「みんな多かれ少なかれそういった悩みはあるよね?」そう思っていたネコゼだったが、主治医が変わったことをきっかけに発達障害が発覚する。さらに、長年治療を続けてきた強迫性障害は、発達障害の二次障害だという。


肌荒れするほど手を洗う。年上の男性に対する嫌悪感で、全てを汚く感じてしまう。重度の強迫性障害により、外出するだけでも疲弊していたネコゼ。さらに、ルールが守れなかったり、複数人が話すと聞き取れなかったりなど、特性のせいで幾度となく苦しい思いをしてきた。


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