テレビ東京入社3年目局員・牧島による、連載エッセイ。「新しくて面白いコンテンツ」を生み出すため、大好きなお笑いライブに日参し、企画書作成に奮闘する。これはそんな日常の記録――。
こんにちは。
テレビ東京の牧島俊介です。さて…。
顔がある。顔がない。
知名度の有無を指すテレビ業界用語。
「顔がある」とは視聴者によく知られている人。
「顔がない」とはその逆である。
語源は、「顔が広い」といった慣用句からの派生だろう。
響きがどこかグロテスクで個人的には、あまり好きな言葉ではない。
だが、業界内ではそれなりに定着している表現である。
同じ話をしても、顔がある人のほうが興味を惹くし、説得力を持つ。
話し手の背景やキャラクターが視聴者に知られているからである。
結果として、顔がある人はますます番組に呼ばれ、顔がない人は呼ばれにくい。
こうしてキャスティング機会の格差は広がっていく。