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桜待つ、あの本屋で 浅倉卓弥 / ハーパーコリンズ・ジャパン


「あんなこと言わなきゃよかった」「なんであの時、ちゃんと話をしなかったんだろう」——生きていると、なんだかこんな後悔ばかり増えてきたりするもの。いっそ忘れてしまえたらラクなのだけれど、なぜだかそんな後悔というものはずっと心の奥に残っていたりする。特に相手が故人の場合はなおさらで……今さらどうしようもないのはわかっているけれど、この物語を読むと、そんな心残りを解決する奇蹟が「もしかしたら自分にも起こるかも!?」と思えるかもしれない。


その物語とは、浅倉卓弥さんの新刊『桜待つ、あの本屋で』(ハーパーコリンズ・ジャパン)だ。浅倉さんといえば「このミステリーがすごい!」大賞を受賞したミリオンセラー『四日間の奇蹟』(宝島社)で知られる人気作家であり、癒しと再生がテーマのファンタジーの名手。本作でも見事に、ファンタジーの力で過去の後悔や悲しみを未来への「希望」に変えてくれる。ちなみに本作、もともとはハーパーコリンズ社のイギリス編集部から「日本が舞台で、桜が咲いている時にだけ開いている店の話を書いてほしい」というリクエストがあり、そこから浅倉さんがこの奇蹟に満ちた物語を紡がれたとのこと。発売前にすでに世界14カ国で刊行が決まっている、話題の一作だ。


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