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「説明のつかないことなんて、この世にあるはずがない」そう信じて生きていても、得体の知れない違和感を覚えることはないだろうか。


『丑三つ時、コワい話はこのBarで』(穂科エミ:原作、近原:漫画/KADOKAWA)は、そうした“日常にひそむ異常”を静かに描き出す、実話系ホラー漫画だ。


舞台は、ホラー脚本家のエミが営む、小さなバー。“実話ホラー募集中。一杯無料”というその貼り紙をきっかけに、バーにはさまざまな客がやってきて、それぞれが“本当に体験した”恐怖を語っていく。少女がじわじわと近づいてくる絵。雨の日にだけ現れる常連客。どれも都市伝説のようでありながら、妙に現実味を帯びている。「呪われた絵」の話などはホラーではよく聞くが、本作に登場するエピソードでは、霊の気配や異常が“はっきりと”描かれ、ただの怪談を超えた強烈なリアリティがある。


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