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可愛らしく、優しく、控えめであることが正しい女性像である。そう繰り返し刷り込まれる中で、そこに馴染めなかったり、内心で違和感を覚えたりする人もいるだろう。


そんな事例を当事者の視点から赤裸々に描いた作品が『スカートの呪いが解けるまで 幼少期からの性被害が原因で女らしさ恐怖症になった私』(魚田コットン/オーバーラップ)だ。


幼い頃から「女の子らしく」と求められることにどこか違和感を抱いていた著者。フリルの付いたピンク色の洋服、ロングヘア、しとやかなふるまい。母親や親戚から「正しい女の子像」を強要されるたび、しだいに息苦しさが募っていく。


さらに、小学校低学年のときに遭った痴漢、5年生から続いた義父からの性虐待をきっかけに、女性性そのものに対し激しい抵抗感を覚えるようになった著者は、その象徴ともいえる「スカート」を履くことができなくなってしまう。


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