ダ・ヴィンチWeb


人生には予期せぬ出来事がつきものだ。突然の病の発覚は、その代表的な例だろう。仕事や家庭、将来への不安、そして物理的な苦しさ。予想もしなかった現実に直面したとき、私たちは健康の大切さや生きる意味を改めて問い直すことになる。


そんな一例を当事者の視点から描いた作品が、『痔だと思ったら大腸がんステージ4でした 標準治療を旅と漫画で乗り越えてなんとか経過観察になるまで』(くぐり/KADOKAWA)だ。がんとともに生きる現実と向き合う著者の力強い在り方が話題を呼び、Web連載時は700万PVを超える大反響を呼んだ。


著者が大腸がんの診断を受けたのは37歳のとき。仕事を最優先し健康管理を後回しにしていた著者は、ある日お尻からの出血に気づくが「痔だろう」と楽観視していた。だが出血は治まらず、ようやく専門の病院を受診したときにはがんはすでに直腸を埋め尽くし、他の臓器にも転移しており手術は不可能。抗がん剤による治療しか、選択肢は残されていなかった。


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