念願のマイホームを建て、新生活を始めた瀧本一家。しかし、主人公の美咲は父親との確執を抱えたままで、昔のような仲良し家族に戻る気持ちはなかった。唯一心を許せる弟・浩介と共に家を出るきっかけを探していたところ、部屋の壁から不気味な音が聞こえてきて……。漫画家・勝見ふうたろー氏が描く、何かが少しおかしい世界の物語。
両親とともにいれば不自由のない生活が保障され、同級生からいじめられることもなくなる――。弟の浩介は、そんな現実的な選択をした。美咲は「世界でいちばん愛している」と伝えるが、浩介には響かず、冷たい反応を返されてしまう。
弟の選択で共存という可能性を描く
――両親が得体のしれない化け物になっているのに、浩介はどうして残ることを選んだのでしょう?
単純にまだ子どもの考えというのもありますし、お姉ちゃんと一緒に暮らす未来に対して、希望や興味を持てなかったのでしょう。