ダ・ヴィンチWeb


空を見上げて「誰もいない場所に行きたい」とつぶやくのは、孤独な日々に疲れた43歳独身の長島夢彦。そんな彼の前に現れたのは、「空を飛んでみたくない?」と持ちかける謎の男。彼が提案する“飛ぶ力”を得る代償は、長島自身の人生そのもので――。漫画家・勝見ふうたろー氏が描く、ちょっと不思議な短編漫画。


長島夢彦は、多忙と孤独に苛まれ、心が休まることのない毎日を過ごしていた。「誰もいない場所に行きたい」。空を見上げてそうつぶやくと、その願いを叶えるという謎の男が現れる。夢彦は相手にしないが、彼の言動が気になり、とりあえず「体験」をしてみることに。


おじさんを救うマンガを描きたかった(笑)


――本作を生んだきっかけを教えてください


中学か高校の頃だったと思うんですが、パラグライダーに乗ったことがあるんです。それに使う傘のような器具を間近で見て、「こんなに小さなもので体重を支えて安全に降りられるなんて」と驚いたのを覚えています。生身で空の上にいる感覚がすごく衝撃的で面白かったんですよね。その後、何度か飛行機に乗りましたが、機体に包まれているのではなく、体一つで空を飛ぶ体験ってきっと楽しいだろうなと思ったんです。ただの願望なんですけどね。


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