世界中の水が突然硬くなった世界。人々は「濡れない生活」を余儀なくされるが、驚くほど早く順応してしまう。1カ月ほどたち、とうとう喉が渇くという感覚すらも忘れたある日、世界は再び元に戻る。すると……。漫画家・勝見ふうたろー氏が描いた日常SFストーリー。
水が突然、液体ではなく、切り分けたりつなぎ合わせたりすることができる固体になった。そして水棲生物は姿を消したが、人間を含む陸上の動物たちは、硬くなった水を体内で循環させて生きられるよう適応していた。まるで最初からそうだったかのように、世界は不思議な日常へと変わっていく。
発想は、あの楽しいあのお菓子から
――「水が少し硬くなる」という発想はどこから出てきたのでしょうか?
お菓子の「ねるねるねるね」からですね。砂糖を主成分とした粉に水を加えて練ると、ふわふわと膨らむ不思議なお菓子です。中に入っているのは水なのに、触っても濡れないし、ころころと転がる。そうして遊んでいるうちに、「水がこんなふうになったら面白いかもしれない」と感じたんです。