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  • 人はなぜ結婚するのか-性愛・親子の変遷からパートナーシップまで 筒井淳也/中央公論新社


    今、人々の結婚観はさまざま。『人はなぜ結婚するのか-性愛・親子の変遷からパートナーシップまで』(筒井淳也/中央公論新社)は、結婚の在り方が多様化している今だからこそ読みたい「結婚の本質」を深堀りした一冊だ。


    著者は、立命館大学産業社会学部の教授をつとめる筒井淳也氏。本書では、時代を経て変化した「人が結婚する理由」を詳しく解説している。


    結婚はかつて、家族で行う生産・経営活動や権力者による統制など、広い意味での「仕事」であった。生まれた子どもは新たな働き手となるため、夫婦間では性愛より生殖に重きが置かれていたという。


    結婚制度が設けられた背景には、「子に父を割り当てること」も大きかったようだ。分娩して親子関係が明らかである母子とは異なり、DNA鑑定などない時代では子の父親はわかりにくいケースもある。結婚制度には父子関係を確定し、母子の生活を安定させる意味もあったのだ。


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