よくある学園ラブコメミステリだと思っていた。だが、後半の一文を読んだ時、「え……」と思わず声が漏れた。世界が一瞬でひっくり返る。私は一体どこで騙されていたのだろう。いや、どこからというか、最初から騙され続けていたに違いない。ここまで見事に読者を騙しきれるだなんてあっぱれだ。——ああ、読み返したくて読み返したくてたまらない。どこから勘違いしていたのか、読み間違えていた場面には、本当はどういう意味があったのかが知りたい。
そんな「二度読み必至」の衝撃を与えてくれるのが、『天嬢天華生徒会プリフェイズ(電撃文庫)』(KADOKAWA)。『世界でいちばん透きとおった物語(新潮文庫nex)』(新潮社)が大ヒットの著者・杉井光氏が自らのホームであるライトノベルで放つ、超王道学園ラブコメミステリだ。