生きていれば、特別な日もあれば、ただ坦々と過ぎていく日もある。『あのね、今日はこんなこと あめのはちのほのぼの日記』(あめのはち/KADOKAWA)を読むと、なんでもない日常が、どれほど尊く愛おしいものかに気づかされる。ほんわかした絵柄とやわらかな語り口で綴られる作者と夫の日常には、自然と頬が緩む温もりがある。忙しない日々に疲れている人や、癒しや優しさを求めている人にこそ、読んでほしい一冊だ。
本作は、作者・あめのはちと、大好きな頼れる夫との暮らしを綴った日常エッセイである。作者の周りで日々起こったことや些細な感情の機微までを丁寧に描いている。その日常に大きな事件は起こらない。何気ない一言や、休日の散歩、おうちで映画を観ながら夫を好きだと実感する日々。仕事中のふとした発見や、道で見かけた素敵な出来事。時にクスッと笑ったり、「あるある」と共感したり、優しさに涙したり…読み進めるうちに、読者自身の毎日にも優しい光が差し込んでくるような感覚を覚える。