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元ノラ猫のターと元保護犬のアグのささやかで幸せな日々を描く、『ターとアグのしあわせ日和 元ノラ猫と元保護犬、ふたりは親友』(村上直美/KADOKAWA)。ページをめくるたび、胸の奥がじんわりと温かくなる。


もし、飼っている犬や猫と話せたら……と、考えたことはないだろうか。本作は、ターとアグの飼い主である著者が、「ふたりは飼い主の留守中にこんなやり取りをしているのかも」「もしふたりがこんな出来事に遭遇したら」といった空想と実際の出来事とを織り交ぜながら描いている。漫画の中の世界では、ふたりは手をつないで自由に外へ遊びにいき、人間の言葉で飼い主とおしゃべりをする。仲良しなふたりの姿とやさしいファンタジーの世界観が、読む人の心をどいてくれる。


一方、この漫画は、ただほっこりするだけではなく、ふと胸が締めつけられるような切なさも、そっと潜んでいる。ペットとの日常を単なる「楽しくて幸せなもの」として描いているだけではないのだ。


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