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「運命の人」とは、誰が決めるのだろう。恋愛や結婚において“理想の相手”を探し求める人は多いが、その答えがあらかじめ決まっているわけではない。むしろ、「自分がどう生き、何を選ぶか」によって、運命は少しずつ形を変えていくのではないか。


『10年後の花嫁』(岡野く仔/KADOKAWA)は、そんな当たり前だけれどつい忘れてしまいがちな大切なことを教えてくれる、恋と成長の物語である。


物語は、幼い頃、おばあちゃんの家で“未来の自分と花嫁”が写った写真を見つけた男の子・自由(本名はみゆうだが、ジューと呼ばれている)が、その女性を探し続けるところから始まる。高校生になった自由は、ついにその写真の女性と瓜二つの少女・千代に出会い、「未来の花嫁は彼女に違いない!」と心を躍らせる。ところが、同じクラスの瞳子と親しくなったある日、写真に写っていた“未来の花嫁”が、いつの間にか“瞳子”へと変わっていたのだった。


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