猫と聞くと、自由気ままで気分屋、時にイタズラ好きというイメージを持つ人が多いだろう。だが『あっち こっち ネッチ!』(ぱんだにあ/KADOKAWA)に登場する猫・ネッチは、そんなイメージとは大きく異なる。引っかきもしなければイタズラもせず、穏やかで愛らしい性格の持ち主。『ねこようかい』や『悪の秘密結社ネコ』など数々の猫漫画を手がけてきたぱんだにあさんが描く、ゆるくて癒し系のネッチの姿は、優しさにあふれている。
全長70cmほどもある大きなネッチは、そのビジュアルだけでも目を引く存在だが、何より魅力的なのは行動のひとつひとつ。ネッチは壁を引っかいたり何かを落としたりしない。何か伝えたいことがあれば、じっと見つめて表情で訴えたり、静かに腕を押したりしながらいやだと伝える。悲しんでいるぱんだにあさんには優しくさりげなく寄り添ってくれる。そんな、穏やかでいい子すぎるネッチの姿がとにかく愛おしい。