社会人の前には、様々な壁が立ちふさがっている。人間関係、ビジネスマナー、日々の業務……等々。だがしかし、『きゃたぴランド2』(きゃた/KADOKAWA)で描かれる世界では、そんなものはまったく問題ではない。そこではただ、クレイジーな登場人物たちの奇想天外な日常が繰り広げられている。
本作はweb漫画家・きゃた氏がマンガアプリ「GANMA!」で連載していた作品を単行本化したもので、「次にくるマンガ大賞2025」にノミネートされるなど、SNSを中心に人気を集めている。主人公「新卒ちゃん」と、彼女を取り巻く個性豊かなキャラクターたちによる奇天烈なギャグの応酬が魅力の作品である。
息をつく間もなく繰り広げられるギャグの数々。社会人のよくある日常のひとコマを入り口としながらも、その場の中で笑いを喚起するのではなく、むしろ文脈無視のギャグの猛攻によって強引に場を作り変える。こうした場の変換の端緒となるのが、唐突な暴力、銃撃、電流といった、バイオレンスな諸表現だ。