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ソノリティ はじまりのうた 佐藤 いつ子 / KADOKAWA


夏を制するものは受験を制す――そんな言葉に身が引き締まる中学受験生やその保護者は少なくないだろう。そんな勝負の夏に読んでほしいのは、佐藤いつ子さんの小説。入試・学参問題に40件以上起用され続けている『駅伝ランナー』(KADOKAWA)や、2025年の中学入試で物語文として最多の20校に採用された『透明なルール』(KADOKAWA)、令和元年度神奈川県優良図書の『キャプテンマークと銭湯と』(KADOKAWA)など、「友情」「家族」「成長」という中学受験頻出のテーマをみずみずしく描き出す彼女の作品はどれも、中学入試に向けた対策にうってつけなのだ。


特にオススメなのは、合唱コンクールをめぐる群像劇『ソノリティ はじまりのうた』(KADOKAWA)。宮下奈都さん・朝比奈あすかさんらの推薦を受けて2022年に刊行されたこの本は、刊行直後から、毎日小学生新聞や朝日中高生新聞、読売KODOMO新聞、日本教育新聞、SAPIX会報誌「さぴあ」7月号などのメディア・受験情報誌に取り上げられ、翌2023年の中学受験では、学習院中等科、洗足学園中学高等学校、桐蔭学園中学校、立命館中学校ほか有名中学14校の国語問題で出題。教育関係者の間で大きな話題を呼び、まだまだ注目度が高い。個性豊かな5人の中学生による群像劇で綴られ、章ごとに視点となるキャラクターが変わっていくから、きっと子どもたちは、自分と似た悩みを持つ登場人物と出会うことができる。だから、夏休みの読書感想文にもピッタリ。感想文を書くのが苦手な子も、自分の気持ちを文章に乗せやすいだろう。


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