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『お見合いにすごいコミュ症が来た』(矢野としたか/KADOKAWA)は、婚活に疲れた中年サラリーマンが、コミュ症で恋愛に臆病すぎるあまり虚無僧姿で現れる年下OLと心を通わせていくラブコメディである。


40歳・独身のサラリーマン・伊丹は、結婚相談所に登録して婚活に励むも、うまくいかず心が折れかけていた。そんな彼の前に現れたのは、顔をすっぽりと笠で隠した「虚無僧スタイル」の謎の女性・野田さん。奇抜な出で立ちに驚かされるが、その正体は伊丹の部下・園田さんだった。


普段、会社ではツンとした態度の園田が、「野田さん」という虚無僧仮面をかぶることで、はじめて自分の想いを素直に伝えられるようになっていく。


顔を隠すという行為は、本来なら心を閉ざすものであるはずだ。しかしこの作品では、顔を隠すことでむしろ“素”の自分をさらけ出している。正体を知らないままの伊丹もまた、奇抜な見た目に戸惑いつつも、「野田さん(=園田)」のまっすぐな言葉に、次第に惹かれていく。


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