神話やファンタジー作品に登場する架空の種族、“エルフ”。すらりとした体型や尖った耳が特徴的で、美しい容姿で描かれることが多い。神秘的な雰囲気を漂わせるその姿に憧れを抱くファンタジーファンも少なくないだろう。
『エルフとひとつ屋根の下』(いくたはな/秋田書店)では、そんなエルフとひょんなことから同居することになった女子高生の日常が、やさしいタッチで描かれる。
主人公は、新潟県で下宿する高校2年生の女の子・上杉景。元旦に起きた地震をきっかけに住んでいたアパートの取り壊しが決まり困り果てた彼女は、藁にもすがる思いで大家に相談の電話をかける。
初めて顔を合わせた大家は、どこか浮世離れした儚げな美女。なんとその正体は、1016年を生きる“エルフ”だった。エルフは景に、条件に合う物件がないなら自分とルームシェアをしないかと申し出る。戸惑いながらも、住む場所を失う不安に背中を押され、景はエルフの家に住むことを決意。こうして、年の差1000歳、価値観どころか、種族すら違う二人の奇妙な同居生活が幕を開けたのだが——。