『限界独身女子(26)ごはん』(的場りょう/KADOKAWA)は、タイトル通り心身ともに疲れ果てた26歳の独身女性を描いた物語。忘れかけていた「食べること」と向き合うことで、少しずつ前に進んでいく姿を描く。仕事や人間関係、日々の生活にすり減らされているすべての人に、静かに寄り添い、背中をそっと押してくれる作品である。
主人公は独身女子・柊美夜子、26歳。半年前、仕事で限界を迎え、心身ともに限界寸前の状態で生きている。だが、どんなに気持ちが落ち込んでいても「お腹は空く」という事実だけは変わらない。美味しいという感覚すら忘れていた柊は、コンビニ飯やカップラーメンといった食事に頼る日々を送っていた。
とりあえず食べられて、自分の燃料になれば何でもいい。この感覚に共感できる読者も多いのではないだろうか。忙しい日々の中では、どうしても食事まで気が回らなくなってしまうもの。それでも今の自分が欲しているものを知り、口にすることこそ、自分自身をも動かす力になっていくのだろう。柊も飲んでみたいジュースを飲んでみたり、コンビニ飯にアレンジを加えてみたりと、小さな一歩から自分の「これが食べたい」を叶えていく。小さな工夫を繰り返すことで、自分をいたわる力が少しずつ戻っていく。