ダ・ヴィンチWeb


苦しみや悲しみは、私たちが生きていくなかで決して避けることのできないものだ。しかし、それらを大切な誰かと分け合うことができれば、その重みは不思議と軽くなることがある。感情を共有できる相手がいるというだけで、人生はより豊かで温かいものになるだろう。


『おかあさんの旅路 乳がんになっても、未来へつなげたい…おかあさんの記録』(なりたりえ/KADOKAWA)は、家族と過ごす時間の大切さや尊さについて、母親である著者の視点から描いたコミックエッセイだ。


登場するのは、著者とその夫、そして元気いっぱいの娘ふたり。作中には、無邪気な子どもたちとの笑いに満ちたやりとりや、なにげない会話のなかににじむ夫婦の思いやりなど、読者の心をふっとゆるめるようなやさしいエピソードが満載だ。


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