2003年に刊行された書籍『教養主義の没落 変わりゆくエリート学生文化』(竹内洋/中央公論新社)が今、SNS上で大きな話題を集めている。その背景には、テレビ番組での紹介やシンガーソングライター・米津玄師の言及があるという。
『教養主義の没落』は、京都大学および関西大学の名誉教授で社会学者の竹内洋氏が著した一冊。1970年前後までキャンパスの規範文化だったとされる「教養主義」の輝かしい実態と、それが衰退していく過程を、歴史的背景やデータを交えて論じている。
同書のテーマとなる「教養主義」とは、その名の通り教養を重視する生き方や考え方のこと。単なる知識の蓄積にとどまらず、人格形成や社会的役割への関与を見据えた知的成長を重視する側面もある。日本においては、大学進学率がまだ低かった昭和初期から戦後にかけて広く浸透したが、やがて進学率の上昇や大学教育の大衆化といった社会構造の変化により、その影響力は次第に薄れていった。