大切な人や愛するペットとの別れは、誰にとっても避けられない。今はもう会えない大切な存在を思い出して、涙する日もあるだろう。
そんな心をそっと温めてくれる1冊が『天国での暮らしはどうですか』(中山有香里/KADOKAWA)だ。
現役看護師である著者は『泣きたい夜の甘味処』『疲れた人に夜食を届ける出前店』など、心に優しく染み入る作品を数多く手掛けてきた。本作もその温もりに満ちた作風で、SNSで話題となっている。
物語の舞台は天国。そこには亡くなった人やペットたちが穏やかに暮らす世界が広がっている。彼らは「下界池」と呼ばれる池から、かつて一緒に過ごした家族や友人を見守っているのだ。
相手の近況に一喜一憂し、ハラハラし、ときに微笑む。そこには生前と変わらぬ深い愛情がある。