面白すぎた。そして、怖すぎた。――特に本好きには後を引くホラーだ。
『書店怪談』(岡崎隼人/講談社)は、端的に言ってしまえば書店にまつわるホラー小説……なのだが、一部実話なのか全てが創作なのか。現実と虚構の境目が分からなくなる“仕掛け”がたくさん張り巡らされた、かなり怖い本である。
あらすじはこうだ。
作家の岡崎隼人は、書店の怖い話を聞いたのをきっかけに、次回作を書店ホラー小説にしようと思い立つ。取材がてら、全国の書店員から恐怖体験を募集したところ、予想に反して数多くのエピソードが寄せられた。
ヒット作を生み出したい岡崎と編集者の菱川は、書店ホラーという新しい分野に可能性を感じ、さらなる取材を続ける。すると、全く異なる場所にある書店なのに、奇妙な一致をみせる怖い話が送られてきて……。