【怖い場面あり、苦手な人は閲覧注意!】
『無惨百物語~ある漫画家が見た怪異~』(マルオ:著、黒木あるじ:原作/KADOKAWA)は、読み進めるほどに奇妙な違和感が積み重なるホラー漫画である。
漫画家の中森は、アシスタントたちとの作業通話で怪談を語り合うのが日課だった。単なる暇つぶしだったはずの怪談。それらが、いつしか滲み出すように日常へと浸透し、不穏な空気が物語全体を包み込んでいく。
原作は、実話怪談の名手・黒木あるじ氏による短編集「無惨百物語」シリーズ。本作で登場するゾッとするエピソードの多くは、一見平凡な日常から始まる。
たとえば、アシスタントの伊藤が語る「半年ごとに家族が入れ替わる隣家の話」では、隣に住む家族が半年ごとにまったく同じ家族構成の6人に入れ替わっていく、という奇妙な現象が描かれる。入れ替わるたびに、家族構成も人柄も寸分違わず再現されるのだ。