怪談ユニット・都市ボーイズのメンバー、そして怪異ハンターとして呪物や怪異譚の取材・発信を続けるはやせやすひろ氏。そんなはやせ氏と作家のクダマツヒロシ氏が、家や実家にまつわる恐怖体験を集めて1冊にまとめたのが『ヤバい実家』(はやせやすひろ・クダマツヒロシ/文藝春秋)だ。すべての人に身近な家系や血縁というテーマだからこそ、本書で描かれる人間の業や愛憎は、恐怖を超えた感動や共感を読者に与える。そんな本書を完成させた手応えを、はやせ氏とクダマツ氏に話してもらった。
絶対に逃げられない血縁や家族にまつわる呪い
――『ヤバい実家』の書籍化のきっかけを教えてください。
はやせ 僕の怪談を小説にするというお話をいただいて、まずは「覗くと死ぬ鏡」のエピソードを取り上げたんです。ある鏡を覗いた人がバタバタ死んでしまうというお話なんですけど、その時、編集さんと、「家にまつわる怪談って血筋や家族に関わるから面白いね」という話になったんです。事故物件なら引っ越せばいいけど、家族の絆って断ち切れないし、その恐ろしさから絶対に逃れられない。本来なら安らげる場所で奇妙なことが起こるというのは誰にでもありえる。それがこの本の一番のフックになっています。僕のところには、家のことで何百年にわたって困ってますというような話が集まってくるので、それを軸に連載をしようという形で始まりました。
――クダマツさんのとのタッグはどういうふうに実現したんですか?
はやせ クダマツさんとは最初、西日本の怪談を話すのがすごく上手い人ということで出会ったんですけど、それ以上に彼は怪談小説を高く評価されていたんですね。クダマツさん自身も「自分は喋りよりも、自分の文章に力を感じていて、文章で食べていきたいんです」って仰っていて。応援したい気持ちになったし、僕はまったく書く力がないんで、文藝春秋さんにクダマツさんを推させてもらって、文春さんにも書く力を認めていただいて、このタッグに決まりました。