今話題の「ロマンタジー小説」をご存じだろうか? ロマンス(心を焦がす熱いロマンス小説)×壮大なファンタジーでロマンタジー。コロナを機に人気を集めはじめたといわれるジャンルで、日本でも2025年「本屋大賞」翻訳小説部門を受賞した『フォース・ウィング ―第四騎竜団の戦姫―』(早川書房)を皮切りに盛り上がりを見せている。このほど登場する『罪悪の王子たち ―呪われし玉座―(上・下)』(ケリー・マニスカルコ:著、入間眞:訳/竹書房)は、そんなブームの決定打になるだろう一冊。世界最大の書評サイト「Goodreads」の「読者が選ぶロマンタジー部門(2023年)」にみごとノミネートされた本作は、「恋愛だけでは物足りない」「冒険のみでは心が動かない」……そんな日本のファンタジーファンの心も、あっというまに虜にしてしまうかもしれない。
舞台は〈七つの大罪〉をつかさどる王子たちが暗躍するという伝説が囁かれる「ウェイヴァリー・グリーン」の街。美しい女性画家・カミラはかつて制作した「贋作」の存在を知るヴェクスリー卿から日々脅迫され、金儲けのためにさらなる贋作の制作を強要され疲弊していた。そんなカミラの前に謎めいた美貌のシントン卿が現れ、“呪われし玉座”と呼ばれる危険な絵を描くことを依頼してくる。幼い頃から両親に「呪われた物体にかかわると破滅を招く」と伝えられていたカミラは当然のごとく依頼を断るが――。